ドスパラより上海問屋ブランドにて販売されている「USBジェスチャータッチパッド/USBハブ(DN-914991)」を購入してみた。
発売は一ヶ月ほど前で、実はオンラインで買い損ねていたのだが、ドスパラ側の商品詳細ページに「ドスパラ各店舗の在庫を確認」という機能が設けられており、そこで「△:在庫少数」となっていることに気付き、今更ながら店頭で購入できたという次第だ。
さて、この商品が特別なのは、Windows 10が「高精度タッチパッド」として認識するという点だ。
「高精度タッチパッド」とは
「高精度タッチパッド」とは、Microsoftが定めたプロトコルを実装したものを指す。
ただしWindows 10での本格的な対応もAnniversary Update以降であり、また一般語を組み合わせただけで商標などは用意していない等、Microsoftとしても、積極的なプロモーションは行っていない様に感じるのが残念だ。
「高精度タッチパッド」の利点は
有り体に言えば、iOSやmacOSと同じタッチパッドジェスチャを、Windows 10でも使える様になるという点に尽きるだろう。
例えば指4本で上にスワイプすることでウィンドウが一覧表示されるし、左右にスワイプすることで仮想デスクトップが切り替わりもする。
その他「高精度タッチパッド」でのジェスチャについては、以下Microsoftのページを参照されたい:
なお過去にも常駐ソフトでの疑似的な実現を行う例も存在したが、やはりOSレベルでの対応となると動作もスムーズで、アプリとの相性によって不具合が発生するということも、まず起こらないという安心感がある。
「高精度タッチパッド」としては邪魔なファンクション機能
話を商品そのものに戻すが、「USBジェスチャータッチパッド」には「エンター」や疑似マウスボタン等のファンクション機能が用意されている。
しかしこれらは無効にできず、またタッチパッドの領域の一部に埋め込まれた状態のため、うっかり触ってしまうということもある。
特に疑似マウスボタンは、一度タッチすると押した状態となり、もう一度タッチすると離した状態になるというトグル動作で、誤操作の原因となりやすい。
UEFI(BIOS)の設定時やWindows 10以外で、マウスの代替として利用するためにはあった方が良いと理解はできるのだが、高精度タッチパッドとしてWindows 10で利用する以上は、やはり邪魔だ。
その他注意点など
個人の感性の問題となるが、いまどきプラスチックに銀色の塗装というのは、十数年前の「銀パソ」ブームの頃のデバイスの様に感じてしまう。もっとシンプルな形状であれば、逆にチープ感は薄れたのではないだろうか。
また商品には2種類のUSBケーブルが付属しており、これには好感が持てるが、L型コネクタのものは長さが30cmであることにも注意が必要だ。ところで「USBジェスチャータッチパッド」側のUSBコネクタはUSB2.0 Micro-Bだが、上下が逆(台形の広い面が下)なので、別途L型コネクタを購入する際には、これにも気を付けたい。
なお店頭で購入した際には、保証は「初期不良二週間のみ」と言い渡されたが、商品ページでは「購入後六ヶ月」ともなっており、気になる方は、別途確認してほしい。
総括
商品としては思い切れていない点が目立ち、「高精度タッチパッド」対応であるという特徴を、他の部分が損なっているという印象を受けた。
しかし、単独で入手できる「高精度タッチパッド」としては、今のところは唯一の選択肢と言えるため、macOSやiOS機とWindows機で使用感を近づけたい(同一のジェスチャを用いたい)と考える人や、デスクトップ機でもタッチパッドジェスチャを利用したいと考える人にとっては、大きな存在と言えるだろう。